代表の経営日誌

宮崎視察で感じた第三者承継とその支援への可能性

宮崎視察で感じた第三者承継とその支援への可能性

広島経済同友会の創業支援・事業承継委員会の視察で宮崎に行きました。

今回の視察先は、小規模な事業承継をオープンネームでマッチングさせる「ライトライト」さん、そしてそのサービス「relay」によってマッチングし事業承継を果たした「vote」さんと「ミカエル堂」さん。また地域商社「こゆ財団」さんからもお話を聞きました。

こゆ財団:リビングラボの実践とキーパーソンの必要性

こゆ財団のある新富町は、男女プロサッカーのホームタウンであり、県のサッカー協会も移転してくるという「サッカーの町」です。こゆ財団はふるさと納税業務の受託や、その寄付で集まった財源を使って地域の新たなビジネスを支援しており、もとは観光協会だったという側面もあります。

 

代表の岡本さんは、いわゆる「スーパー公務員」です。ふるさと納税の寄付額を増やすための地域商材開発、農業公社の立ち上げなど、行政の制度と地元のネットワーク、そして自らのフットワークを活用して事業を作り、資金をうまく集めておられます。これらの事例を聞き、リビングラボの実践には、深い知見と広いネットワークという無二の能力を持った「キーパーソン」がやはり必要なのだと感じました。

vote:事業承継は型にはまらなくていいという実感

「vote」さんは、町に一つしかないパン屋を、主婦だった関島さんが家族ごとUターンして第三者承継で引き継がれたお店です。店舗は既存店舗ではなく使われてなかった鉄工所の倉庫を利用しており、一見すると「一体どこに第三者承継の要素が?」と思ったのが第一印象でした。

 

しかし詳しく聞くと、パン焼き窯といった設備やパンづくりのノウハウ、レシピをしっかり受け継いでおり、承継元から丁寧に教わったそうです。原型を残していないように見えても円満に承継している姿を見て、「なにか承継元のらしさを残さなければいけない」という型にはまりすぎていた自分に気がつきました。

 

お昼は飲茶のせいろ蒸しランチだったんですが、パン屋だから自家製肉まんがこんなに美味しくできるのかと今更気付きました

ミカエル堂:承継者がコミットする必要性と、コミットしない仕組みづくり

「ミカエル堂」さんは、宮崎市民のソウルフード「ジャリパン」の元祖です。一度は後継者不在で店を閉めたものを、地元出身の女性が第三者承継して復活させました。

 

新ミカエル堂はジャリパン一本に集中し、仕込み手順を変えることで、日勤帯のパートさんでパンづくりができる体制を確立。承継から1年で既に、店主が張り付かなくてもいい状態を作っていました。とはいえ、この体制をつくるために承継者が「集中してコミットする時間」は必要です。この期間でしっかり仕組みをつくるぞ、と実践した方がここにいるのだと見せつけられたのでした。

「地域おこし協力隊」という行政の支援ーそれ僕らもできるのでは?

今回お会いした皆さんの多くは、地方移住における収入面の不安を「地域おこし協力隊」という行政の支援で支えられていました。この支援があれば移住や承継の「確率は上がる」のだろうと思います。

 

地域おこし協力隊の報酬は月額20万円程度です。今どき新卒採用の方が給与水準は高い。だったら私たち民間企業が「地域おこし社員」として採用して、第三者承継や地方移住を進めればいいのでは?機会があれば、その可能性を模索していきたいと思います。

 

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